北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

北大31


北鈴会創立50周年を祝して

北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頚部外科学分野
教授 福田  諭


この度は、北鈴会創立50周年を迎えられ誠におめでとうございます。
ひとえに関係者の皆様のたゆみない努力の賜であり、心よりお祝い申し上げる次第です。

本年8月27日には、声の祭典、記念式典、祝賀会が盛大に行われた由、併せてお祝い申し上げます。

以前にも書かせて頂きましたが私が未だ若い医師であった頃、北鈴会の以前の会長で、上顎癌、舌癌、喉頭癌、肺癌の4重癌であられ、このいずれとも大変真摯に真正面から取り組んだ鈴木吉郎さんの主治医であったこともあり、北鈴会の存在はその時以来承知致しておりましたし、また喉頭全摘後の音声指導、訓練におきましては日頃大変お世話になっております。

今、私ども北海道大学での、ひとつの大きなテーマは「サステナビリティー持続可能な社会の実現-」であり、サステナビリティ・ウィークも毎年秋に開催されております。こうしたことからも、改めて会の50年にわたる継続と発展に対し、心から敬服を表する次第です。

21世紀での医療に対する国民の期待・要求は大きく、またより一層厳しくなってきています。こうした中、耳鼻咽喉科・頭頸部外科での治療のキーワードは、リハビリテーシヨン、臓器機能温存、QOL、インフォームドコンセント、人間生活のアメニティー、高齢化杜会(感覚器の老化、頭頸部悪性腫瘍の増加)への対応、などがあげられると思います。

手術そのものは、もちろん非常に大切な部分ですが、一連の治療過程において、手術前の十分な説明・納得、術後の音声を含めたきめ細かい対応などがますます重要になってくると思っております。
こうした意味におきましても、北鈴会の存在は極めて重要であると考えられ、今後とも密接な連携が必要であると考えておりますので、これまでにも増してどうぞ宜しくお願い申し上げます。

以上、創立50周年をお祝いして、簡単ではありますがご挨拶と致します。