北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

旭川医大32


ー新外来診察室のご案内ー




旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
 教授 原渕 保明


 北鈴会の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。喉頭摘出による失声に負けず、新しい発声方法獲得のため日々たゆまぬ努力をされ、またその技術を新しい仲間に教え伝える北鈴会の方々の活動に深く敬意を表します。

 さてご存じの方もいらっしゃると存じますが、昨年9月1日より新外来での診療が開始いたしました。以前に売店、職員食堂があった一階のスペースを改築して完成し、何かと便利なローソンが隣接しております。また二階総合受付の下に位置し、正面玄関からの距離も近くなり非常にアクセスがしやすくなっております。この場をお借りし、少しご紹介させて頂きます。

 まず面積ですが、旧外来は約200uでしたが新外来は約280uとI・4倍になっております。部屋も旧外来の診察室5部屋、処置室2部屋、エコー室、めまい検査室、聴力検査室に加えて嗅覚検査室、めまい検査前室、学生用の診察室が増設されております。診察室は101から105まで番号付けされており、特に初診患者様等を診察する101番の部屋は非常に広い造りとなっております。この部屋には診察ユニットの他に耳や鼻を観察する硬性鏡用タワー、診察用電動べッド、顕微鏡、めまい診断用の眼振モニターが常備され、一通りの診療が診察室内でできるようになっております。またモニターも多く、電子カルテ閲覧用のモニター以外に画像検査用のモニター、更には患者様説明用の55インチモニターが装備されております。内視鏡検査等を行う処置室には内視鏡検査に用いる電子スコープ用タワーが二つ、診察用の電動ベッドと顕微鏡が一つ、点摘処置用のべッドが二つ常備されております。特に電子スコープ用のタワーは今回2台とも新規導入しており、それに接続するファイバーもそれぞれ3個ずつ新しくなっております。

これにより、喉頭などの鮮明な画像をお届けすることが可能となり、内視鏡検査にお待たせする時間も短縮しております。また処置用べッドが複数導入されたことにより、点滴を受ける患者様などを並列して耳鼻科外来で経過観察することができるようになりました。さらに、かなりスペースに余裕があるため、内視鏡検査が必要な、ベッド上、車いす上の患者様に対しても他の診療を妨げず診療可能となっております。

旧外来では階段下にあった手狭なエコー室も、今回の引っ越しで広くなっており、頭をぶっけたりする心配がなくなりました。聴力検査室については、旧外来では診察室と離れておりましたが、新外来では診察室の隣に位置し、そのためか待ち時間も短縮された印象を受けます。待合室については緑に統一した椅子を導入し、非常に落ち着いた雰囲気で待ち時間もゆったりとすごせるものと期待しております。また受付の横には大型モニターが天井から吊下げられており、有名な写真家である菊地晴夫先生の美瑛の絶景が映し出されております。また診察待ちの患者様の心が少しでもリラックスして頂けるよう、私のフォトギャラリーも常設しております。

 言うまでもありませんが、このように外来診察室が広く快適になるだけではなく、そこで働くスタッフの質も向上していかなければなりません。我々スタッフ一同これからも気を引き締めて、新しい外来診察室にふさわしい診療を皆様にご提供すべく日々精進していく所存でございます。何かご心配なことがございましたら、いつでも気軽に外来へおたずね頂ければ幸いです。

 最後になりましたが、北鈴会の益々のご発展と会員の皆様のご健勝をご祈念申し上げます。