北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

水口果奈32

北鈴会の皆様へ


JA北海道厚生連旭川厚生病院7階東病棟

看護師主任 水口果奈




   私は、耳鼻咽喉科の混合病棟に配属となり今年で5年目となります。
 これまで、喉頭摘出術を受けられた患者様、ご家族と関わらせていただきましたが、いつも私自身が患者様とご家族から学ばせていただくこと励まされることが多いです。

 患者様と、そのご家族は病名を受け止めるだけでも大変なことで時間を要することと思いますが更に声を失うことや、他にも様々な機能が失われるという現実を受け止めなければならず、私にはその絶望感や不安は計り知ることはできません。

 手術後も患者様は身体的な苦痛が多く、声で伝えられないもどかしさやストレスなど精神的な苦痛も多いと思います。
 また、その患者様を支えるご家族も大変つらいことと思います。

 そのような中で、今度は気管孔の管理、吸入・吸引といった医療技術を習得していかなくてはなりません。
私たちのような専門職でも初めて行う処置に対しては不安や緊張があるものですが、患者様、ご家族は全く今まで経験したことがないことを短期間で習得することになり、大きな不安を抱かれていると思います。

 しかし、私たちの指導に熱心に耳を傾け、毎日技術の習得に向け努力されている姿に私はいつも力をいただいています。
 また、手術前に北鈴会のご紹介をさせていただいていることもあり、電気喉頭での発声や食道発声にとても関心を持たれている患者者様が多いです。

 北鈴会の方も熱心に何度も病棟まで足を運んでいただき、直接会って話をしていただくことで、患者様とご家族はとても勇気をいただいているようです。

 北鈴会の方と話された後の患者様とご家族の表情は明るく、気持ちも前向きになっていることが多く、同じ境遇にある「仲間」の力を感じます。

 退院後、患者様のお元気な姿を拝見し、第二の声を聞かせていただいた時が何より嬉しく、看護の喜びを感じます。
 今後も、患者様とご家族に寄り添った看護が実践できるよう努力していきたいと思います。

 最後になりましたが、今後も北鈴会の皆様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。