北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

小野寺優32


北鈴会の皆様へ


旭川医科大学病院5階西病棟

看護師 小野寺 優




 北鈴会の皆様、はじめまして。私は旭川医科大学病院の耳鼻咽喉科頭頭部外科の病棟で勤務し4年目となりました。看護師としての経験も浅く、日々患者様から多くのことを学ばせていただいております。
 喉頭摘出術は、声を失うという機能的喪失、永久気管孔となるボディイメージの変化など、手術後も心身の負担は計り知れないものとなります。
 入院される患者様は、外来で事前に医師より病状や治療方法について説明を受け、手術を決意されてきます。しかし、入院後に再度医師から手術の詳しい説明を受けますが、なかなか全ての患者様が術前・術後を通して前向きな気持ちを持ち続けることができるかというと、難しく思います。ですが、術前あるいは術後に北鈴会の皆様と面談をされた患者様は他の患者様と比べ、受け入れがよく前向きである印象を受けます。
なかには「先に話を聞けて良かった。経験者の言葉は違う。」「イメージがわいて手術を受けられた。」と話される患者様もいらっしゃいます。
 当病棟では、喉頭摘出術を行われる患者様が入院されてきた場合、すぐに地域医療連携室やソーシャルワーカーと連絡を取り合い、各種申請の手続きなどを行っています。また、術後は他職種間で情報共有をしながら段階を踏んで自己吸引。吸入の手技の獲得を目指して指導を行います。最近では、食事摂取が再開となる際には言語聴覚上も介入し、食事形態の相談や食事摂取方法の指導、摂取しやすいメニューの提案もされています。
 しかし、身体面ばかりではなく、精神面の安定も順調に自宅生活に戻るための要因となるように思います。そのため、前向きに手術や退院に向かっていくことができるよう、今後も微力ながら尽力させていただきたいと感じております。
 最後となりましたが、この場をかりて北鈴会の皆様に日頃の感謝を申し上げ、今後の皆様のご健康と更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。