北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

電制須貝32


「北鈴会の皆様へ」




株式会社 電制取締役開発本部長 須貝保徳



 平成26年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式のご報告

北鈴会の皆様には、いつも大変お世話になっております。また、弊社製品の「ユアトーンU」を多くの方にご利用いただいており、誠にありがとうございます。
昨年12月17日に総理官邸で開催された平成26年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式に出席してきましたので、ご報告させていただきます。
このバリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰とは、平成13年11月6日に開催された「バリアフリーに関する関係閣僚会議(第2回)」において創設され、バリアフリー・ユニバーサルデザインの推進について顕著な功績のあった者を顕彰し、優れた取組を広く普及させることを目的として実施されているもので、当社は、北海道からのご推薦をいただき、喉頭癌等の病気で声帯を失い、声を出すことが出来ない人のための発声補助機器である「電気式人工喉頭」の研究開発に産学官で取り組み、国内で初めて製品化、その後もユーザーの要望分析結果を大学や公的機関にフィードバックして、新たな産学官の共同研究を推進することにより、抑揚が制御できる人工喉頭の実用化や喉頭摘出以外の発話困難者も幅広く支援することを目指した音声生成アプリ等の新たな技術の創出にも取り組んでいることが評価され、内閣府特命担当大臣表彰優良賞を受賞させていただきました。表彰式には、内閣総理大臣表彰が1件、内閣府特命大臣表彰優良賞が私どもを含め3件、内閣府特命大臣表彰奨励賞が2件の合計6件が表彰され、内閣総理大臣表彰は、安倍内閣総理大臣から授与され、当社は、有村特命担当大臣から表彰状と記念品を授与されました。表彰式では、安倍内閣総理大臣から「障害のある方にとって、生きがいとチャンスのある国に日本はなってゆく必要がある」とのお言葉が示され、受賞した当社としても、より一層の努力精進が必要だろうと感じた次第です。表彰式を
終えたあと、受賞者全員を含めた記念撮影が行われ、その後の懇親会では、有村特命担当大臣や赤澤内閣府副大臣らに当社の電気式人工喉頭「ユアトーンU」を実際にお見せして説明させていただき、「必要な機器であるので、引き続き頑張って欲しい」との激励のお言葉もいただきました。テレビの中でした見たことのない総理官邸での表彰式ということもあり、緊張と興奮が入り交じった中での表彰式と懇親会でしたが、この賞をいただけたのも北鈴会の皆様をはじめ、関係する多くの方々のおかげであることを肝に銘じ、この賞に恥じることなく、これからも技術開発に取り組んでいくことをあらためて強く思うこともでき、とてもよい経験となりました。
 表彰式を終え、平成26年も終わりに近づいた12月30日……ある新聞の「読者の声」に投稿された記事を見つけました。それは伊達市にお住まいの佐藤千恵子様の投稿です。その内容は、当社の受賞を自分のことのように喜んでくださっているものとなっていました。
この投稿は私にとって、いや当社で「ユアトーンU」に関わっている全社員にとっても、バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰以上に嬉しく、そして感動する投稿でした。この様に喜んでくれる方がいるということが、私たちにとって、とても大きな励みに、また大きな力にもなります。佐藤様には、この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうござました。
 当社は、「人に感動を与える製品の開発」という企業理念の下で、社会貢献を強く意識したものづくりを行い、これからも北鈴会の皆様をはじめ喉頭摘出者団体等と密な関係を築き、ユーザー目線に立った機器開発を心掛けて行きたいと考えておりますので、引き続きご協力・ご指導よろしくお願い致します。最後に北鈴会の益々の発展と会員皆様のご健康とご健勝を心よりお祈り申し上げて、バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰式のご報告とさせていただきます。