北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

吉野耳鼻咽喉科36


北鈴会の皆様へ


吉野耳鼻咽喉科
院長 吉野和美

  

北鈴会の皆様、こんにちは。私は以前平成22年版の「北の鈴」に、寄稿させていただきました。あの頃はまだ旭川医科大学病院勤務でした。私は平成27年に末広で開業していた父の病院を継承し、現在の場所に移転しました。今年で5年目になります。現在は外来診療のみで、癌患者の治療にあたることはなくなりました。ただ、外来受診の際には見逃しがないよう、早期発見できるよう心がけております。怪しい所見があれば、市内の病院をご紹介しています。

「北の鈴」は毎年送付されてきておりましたので、いつも楽しみに拝見していました。発声訓練、指導の様子など精力的に活動されていて、頭が下がる思いです。最後に記載されている名簿では、私が勤めていた病院で治療されていた方の懐かしい名前をみることもあり、感慨深いです。

私が勤務していた頃の癌治療は、手術、放射線治療、化学療法でした。最近は分子標的薬の使用も可能となり、医学は急速な進歩を遂げています。将来的に癌の早期発見、そして機能を温存した治療が可能であれば、患者様のQOLは大分改善することでしょう。私が携われることとしては、早期発見に努めるというところです。

ただこれからも手術(喉頭摘出術)が必要となる患者様はいらっしゃると思います。患者様にとっては、声を失うことは想像もつかないことです。手術前の患者様を北鈴会にお連れすると、イメージがわき前向きになられる方が多くいらっしゃいました。経験された方の言葉は心に響きます。北鈴会の皆様のサポートは必須です。これからもご活躍をお祈りしております。