北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

道庁36


「北の鈴」の発刊によせて


            北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課
 課長 岡本収司


本年も北鈴会機関誌「北の鈴」が刊行されますことに、心からお慶びを申し上げます。

また、会員の皆様におかれましては、本道における障がい保健福祉施策の推進に当たり、日頃から格別のご協力をいただいておりますことに、厚くお礼申し上げます。


貴会は、昭和39年の発足以来、長きにわたり道内の喉頭を摘出された方々に対し、「第2の声」の習得のため様々な発声訓練に努められるとともに、普及啓発にも取り組まれるなど、多方面で活動を積み重ねてこられました。

また、昭和58年からは、道の委託事業である「音声機能障がい者発声訓練・指導者養成事業」の実施を通じ、発声教室や宿泊訓練、指導者養成研修会を開催し、延べ292名の方々にご支援をいただいております。


こうした様々な活動は、道内における喉頭を摘出された方々の生活の質の向上はもとより、障がいのある方々の自立と社会参加の推進に大きく貢献するものであり、この場を借りて心より深く感謝申し上げるとともに、今後も貴会の活動がますます充実されますことを期待しております。


さて、道におきましては、昨年4月に障がいのある方が障がいのない方と同等の情報を入手できる地域社会の実現を目指して、「意思疎通支援条例」と「手話言語条例」施行し、障がいの特性に応じた多様な手段を使用し、誰もが円滑に意思疎通を行うための支援などに取り組んでおります。

また、本年3月には、こうした取組を全道に広げ、障がいのある方への「情報保障」について意識を持ち、行動していくため、「障がいの特性」や「意思疎通や配慮のポイント」のほか、会議や災害時の配慮、情報保障に役立つ機器等を紹介した「障がいのある方への配慮と情報保障のための指針」を作成したところです。


今後とも、この条例の理念を広く知っていただき、「障がいのある方もない方も、お互いに人格と個性を尊重し合い、豊かで円滑なコミュニケーションを図ることができる北海道」、「希望するすべての障がい者が安心して地域で暮らせる社会づくり」に向けて、関係者の皆様と共働し、積極的に取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力をいただきますようお願いいたします。


結びに、貴会のますますのご発展と会員の皆様のご多幸を心からお祈り申し上げます。