北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

市立旭川医師36


北鈴会の皆様へ


市立旭川病院耳鼻咽喉科
医師 杉浦文康

 

北鈴会の皆様初めまして。私は市立旭川病院耳鼻咽喉科の杉浦文康と申します。現在医師5年目であり、耳鼻科を専攻して3年目となります。まだまだ若輩者ではありますが、私も喉頭摘出に臨まれる、あるいは摘出後の患者様の担当をさせていただいた事がありました。喉頭癌の治療には主に、手術、放射線治療、放射線化学療法などありますが、それぞれの利点、欠点をお話しするにあたり、患者様によって治療などに求める事は多種多様であると改めて痛感致します。私としても上記治療を要する可能性がある場合、少なからず情報提供をさせていただく事がありますが、やはり言葉でご理解いただく内容と、実際にその状態になってご理解いただく事には大きな隔たりがあるように感じられます。特に喉頭全摘を希望される患者様には、発声機能の喪失、呼吸様式の変化、これに伴う気道管理の必要性の他、鼻を使用しない事で、嗅覚、鼻粘膜の萎縮による諸症状が発生する事、口から空気を吐き出せないことによる摂食様式の変化など、手術による機能喪失と生活の大きな変化を伴うことから、なるべく細かい点までお話しすることを心掛けています。しかし医学的に正しいとされている話や論理的な話だけでは上手くいかないことも多く、生活上の悩みを抱える方も少なくないため、皆様の経験や知恵が患者様の悩みを解決したり、自分らしく生活していったりするための大きな力となっていると考えます。我々にもお力添えできる事などありましたら、微力ではありますが喜んでご協力させていただきたい次第です。

最後に、皆さまのご健康と今後のご活躍のますますの発展を祈願致します。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。