北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

電制35


北鈴会の皆様へ

                        株式会社 電制   
常務取締役 須貝保徳


 生まれ変わった電気式人工喉頭「ユアトーン」のご紹介

 北鈴会の皆様には、いつも大変お世話になっております。また、弊社製品の電気式人工喉頭「ユアトーン」を多くの方にご利用いただいており、誠にありがとうございます。その電気式人I喉頭「ユアトーン」ですが、昨年十月に使いやすさを追求した製品として生まれ変わりましたのでご紹介させていただきます。

 ご存じの通り電気式人工喉頭とは、声帯の代わりに音源を生成する装置であり、その使い方は電気式人工喉頭の先端を頸部に押し当て、押しボタン式スイッチを押すことにより音を生成、それにあわせて同や舌を動かすことにより声として発声するものです。その場合、弊社の電気式人工喉頭も含め、多くの製品は音を出すための押しボタン式スイッチだけではなく、音程を変えるためのスイッチ、音量を変えるためのスイッチなどの操作部があり、弊社の電気式人工喉頭も多機能ゆえに複数の操作部を有しております。今回新しく生まれ変わった電気式人工喉頭「ユアトーン」は、使いやすさを実現するため主に操作性を重視し、改善したものとして生まれ変わっており、標準型(Sー1モデル)と高機能型(Gー1モデル)という特徴の異なる二種類の商品構成となっています。

*二機種共通の特徴

 先に記載しましたように各種の操作スイッチの内、使用頻度の少ないスイッチは裏蓋内に収納し、表に出ているスイッチは押しボタン式スイッチと音量調節用ダイヤル、歌・会話切り替えスイッチというシンプルな構造としました。また、毎回電源を入れなくても押しボタン式スイッチを押すとすぐに会話ができるようにしています。さらに音量調節用ダイヤルの表示文字を大きく見やすくし、会話をしながら片手で音量の調節が可能な構造としています。もちろん右利きでも左ききでも操作が可能です。さらに電池の逆挿入防止機能など安全にも配慮したものとなっています。

*ュアトーン標準型の特徴(Sー1モデル)

 電気式人工喉頭を初めて使う方や機械操作が苦手な方向けの製品であり、押しボタン式スイッチを押すだけで簡単に話すことができます。抑揚をつけることはできませんが、発声する音に人間の声と同じような細かな音の動きである「ゆらぎ」を付加させており、これにより柔らかく、聞きやすい声を生み出しております。また、これまでの「ユアトーン」と同様にあらかじめメロディを記憶させてある「歌モード」も備えており、本モデルでは、「ハッピーバースデイ・トウーュー」と「北酒場」の二曲とし、選曲も簡単にできるようになっています。

*ュアトーン高機能型の特徴(Gー1モデル)

 電気式人工喉頭をある程度ご利用になった経験がある方で、さらにワンランクアツプした発声ができるモデルであり、抑揚をつけた発声を可能とするものです。発声のためのスイッチがスライド式のスイッチとなっており、これを押しながら上下にスライドさせることにより、音に高低の変化をつけ抑揚を表現することができます。これにより、「雨」と「飴」のような同音異義語を区別して発声することや、語尾の音程を上げることにより、疑問文を表現することも可能となります。抑揚の練習テキストもついていますし、モードを切り替えることによって、標準型(Sー1モデル)と同じ発声に切り替えることも可能です。さらに、音の変化幅をニオクターブの範囲に広げることもでき、練習次第ではスライド式スイッチを操作することによって、カラオケなどで歌を楽しむこともできるものです。

 以上、ご紹介させていただいた新型ユアトーンは、既に多くの方にご利用していただき、シンプルになった、文字が見やすくなった、使いやすくなったなど、たくさんの評価をいただいており、電気式人工喉頭メーカーとして、嬉しく思うのと同時にその責任は日に日に増してきていると感じております。弊社は、電気式人工喉頭の国内発のメーカーとして、これからも北鈴会の皆様をはじめ喉頭摘出者団体等と密な関係を築き、今以上にユーザー目線に立ち「使う人への配慮が行き届いた製品にするには何が必要か?」を常に考え、研究および商品開発に取り組んで参りたいと思っおりますので、引き続きご協力・ご指導よろしくお願い致します。

 最後に北鈴会の益々の発展と会員皆様のご健康とご健勝を心よりお祈り申し上げます。