北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

JA旭川厚生看護35


北鈴会の皆様へ


JA旭川厚生病院5階東病棟
看護師 中村茉侑奈

  私は耳鼻咽喉科の看護師として勤務をし、今年で6年目になります。昨年私は喉頭仝摘出術を受けた患者様の心理的変化に焦点をあてた看護研究をさせていただきました。その中で、学んだことや感じたことを述べさせていただきたいと思います。

  喉頭全摘出術を一受ける患者様は、漠然とした不安を抱えており、術後のイメージをもつことが容易ではありません。そんな中、術前に北鈴会の皆様と面会され、実際に話を聞くことや元気な姿を見られることは、これから治療を受ける患者様にとっては心強く安心感を与えていました。

  術後は身体的機能の喪失と向き合いながら、これからの生活に適応していくために生活の注意点を知り、吸引・吸入手技の練習を始めます。今までその患者様の生活には必要のなかった知識・技術であり、その苦労と努力は計り知れません。また、良くなりたいという回復への強い気持ちに寄り添うことは、患者様の意欲を向上させるとともに、その姿に私達も励まされていました。

  コミュニケーションに関しては、電気喉頭が手元に届くまで入院中は筆談やジェスチャーが多くなります。伝えてくれたことを理解できているつもりでも、発声ほど意志疎通は円滑ではないため、患者様にとっては伝わらないもどかしさを感じさせてしまっていることもあります。そのもどかしさを受け止めた上で、患者様の思いを理解し、寄り添いたいという気持ちをもち、思いを聞くという時間や関わりをもつことが大切であると感じました。

  入院中という短い期間でしか関わることができませんが、患者様の人生は退院してからも続いていきます。今後も少しでも安心して、もとの生活に近づけるよう北鈴会の皆様のご協力を得ながら、心理面への積極的な関わりや支援体制を整えていきたいと思います。

  最後になりましたが、今後も北鈴会の皆様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。