北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

JA旭川医長35


北鈴会の皆様へ


JA北海道厚生連旭川厚生病院耳鼻咽喉科
医長 上村 明寛

  この度は北鈴会の皆様に寄稿の機会をいただきましたことに、この場をお借りして感謝を申し上げます。

私は旭川医大を平成19年に卒業し初期研修後、平成21年に旭川医大耳鼻咽喉科頭頸部外科に入局し、現在は旭川厚生病院にて勤務しております耳鼻咽喉科医10年目の医師です。

  患者様におかれましては喉頭摘出後のリハビリ、気管孔管理につきまして日々大変なご苦労をされていることと存じます。術後のリハビリ・気管孔管理において我々医師をはじめとする医療側のフオローだけでは不十分な部分、喉頭摘出をされた後はヒトのQOL・コミュニケーションの手法で非常に大きな部分である発声が不可能になってしまうということで抱えられる不安・苦悩があり、患者様だけしか知りえない部分につきまして北鈴会の方々が担われていることが非常に多く、患者様の術後のフォローにつきまして北鈴会の方々の役割は現場の医師からみても非常に心強く感じております。

  話は変わりまして最近の医療側からのトピックスですが、以前より喉頭癌をはじめとする喉頭摘出を要する疾患においては手術・放射線療法・抗がん剤治療があり、進行度や組織型にあわせて治療を組み合わせる方法がとられております。近年は抗がん剤治療において分子標的薬の発売や適応拡大が進んでおり、昨年はニボルマブが頭頸部癌に対し適応が拡大されております。今後もこのように手術器械の進化や新薬の開発による治療の進化が進んで行くものと思われます。我々は今後も最新の治療・技術を習得し、臨床現場において実践できるように日々努力して参ります。そして当然のことではありますが、病める患者様に寄り添う治療を今後もできるように努力いたします。

  最後ではございますが、北鈴会の方々の日々のご活躍にお礼申し上げます。