北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

道庁35


「北の鈴」の発刊によせて


            北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課
 課長 東 秀明


  本年も北鈴会機関誌「北の鈴」が刊行されることについて、心からお慶びを申し上げます。また、会員の皆様におかれましては、本道における障がい者福祉施策の推進について、日頃から格別のご協力をいただいておりますことに、厚くお礼申し上げます。

  貴会には、昭和39年の発足以来、道内において、喉頭を摘出された方々に対する食道発声法、電気発声法などによる発声訓練の実施や、指導者の養成、発声法の普及啓発などにご尽力いただいており、また、道の委託事業であります「音声機能障害者発声訓練・指導者養成事業」の実施につきましても、昭和58年からご協力いただくなど、これまで長きにわたって活動を積み重ねてこられました。

  こうした様々な活動は、道内における喉頭を摘出された方々の生活の質の向上はもとより、社会参加の推進に大きく貢献するものであり、この場をお借りして心より深く感謝申し上げます。障がいのある方々の自立と社会参加への取組として、今後も貴会の活動がますます実り多いものとなることを期待しております。

  さて、道におきましては、平成30年度から32年度までを計画期間とする「第5期北海道障がい福祉計画」を策定いたしました。

  これまで、障がいのある方々が地域において生活を行うため、「施設からの地域への移行支援」、「サービス体制の充実」や「多様な就労の場の確保」などの施策を進めてまいりましたが、この計画においては、これらの施策をさらに推進するとともに、乳幼児から学齢期、さらには卒業後の就労に至る成人期までの生活環境が変化する節目においても、切れ目のない支援体制の構築を目指し、計画の策定に取り組んでまいります。

  また、本年4月には、障がいのある方々への情報保障や意思疎通支援を充実させるとともに、道民の皆様に障がい特性に応じた様々なコミュニケーション手段を身近に感じていただくことや、手話が言語であることの認識を広める事を目的とし、「北海道障がい者の意思疎通の総合的な支援に関する条例」と「北海道言語としての手話の認識の普及等に関する条例」を施行いたしました。今後は、これらの条例の理念を道民の皆様方に広く知っていただき、障がいのある方々が地域生活で豊かで円滑なコミュニケーションを図る事ができる北海道の実現を目指してまいります。

  引き続き、皆様のご意見をお伺いしながら、「希望するすべての障がい者が安心して地域で暮らせる社会の実現」に向け努力してまいりたいと考えていますので、これからもご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

  結びになりますが、貴会のますますのご発展と会員の皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。