北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

札幌禎心会看護34


北鈴会を見学して


札幌禎心会病院6階東病棟
科長 岩野 静香


 当院では平成28年11月、病院新規移転に伴い、頭頸部外科が新設されました。新設から1年半が経過し、多くの患者さまとの関わりがありました。私たちは、北鈴会の存在は知っていたものの、どのような活動をされているのか具体的に存じ上げておりませんでした。

 そこで、北鈴会を実際に見て感じたことを患者さまへ伝えたいと考え、平成29年5月、北鈴会を見学する機会をいただきました。見学の中では発声訓練場面の他、参加・指導者の方々から直接話を伺いました。そこで知ったことは、北鈴会では発声訓練の指導のみならず、同じ体験をされた〃先輩″として、助言やサポートをし、〃仲間〃として、経験や日々の思いの共有をされているということでした。喉頭全摘出をされた方々は発声だけでなく、生活の様々な場面で変化や不自由を実感されていると思います。そのなかで、北鈴会の存在はとても大きく支えになるものだと実感しました。

 また、指導者のお一人が、北鈴会の活動を「生きがいだ」とお話しされていたことが、強く印象に残っています。声を失うことは、身体的にも社会的にも辛いことと思いますが、北鈴会への参加が人との触れ合いや社会との繋がり、希望や生きがいを見出す第一歩になるのだと感じました。患者さまがそこへ踏み出すお手伝いを、私達医療者は行いたいと思います。

 この度の経験を多くのスタッフと共有し、喉頭全摘出をされた患者さまとそのご家族にも見学を勧めるなど、幅広く活動したいと思います。

 この度大変貴重な機会を頂き、誠にありがとうござぃました。北鈴会の皆様のますますのご健勝とご多幸を、心よりお祈りしております。