北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

市立旭川看護34


北鈴会の皆様へ


市立旭川病院西6階病棟
看護師 椎名 悠子


 北鈴会の皆様、こんにちは。私は、耳鼻咽喉科の看護に携わらせて頂くようになり6年目となります。昨年、当院では病棟編成があり、耳鼻咽喉科は外科との新たな混合病棟になりました。不安や心細さを抱えてのスタートになりましたが、ある日、耳鼻科で入退院を繰り返す患者さんが再入院してこられた際に「よかった、知っている顔がいた。」と、ほつとした表情を見て、患者さんは自分たち以上に不安を抱えて病院に来られるのだと再認識しました。

 喉頭摘出術を受ける患者さんは年々減少傾向であるそうですが、それでも尚、当院では毎年1〜2名の患者さんが手術を受けられています。患者さんは、癌の告知を受けた悲しみ、自らの大事な体の一部を失う悲しみ、更に自分自身の大切なアイデンテイテイである声を失う悲しみを背負われています。医療というのは、治燎だけではなく患者さんの心のケアー,忘れてはいけないと痛感するのですが、私は未だに何とお声掛けをしていいのか判らないというのが正直な気持ちです。

 そんな時、北鈴会の方が病棟を訪れ、患者さんを見舞って下さることにいつも助けて頂いています。同じ病気を経験された先輩や仲間の生き生きとした姿や温かい励ましにより、患者さんに一筋の光が差し込むように思います。

 今回この原稿を書かせて頂くにあたり、ここ数年の「北の鈴」を拝読し、北鈴会の素晴らしさ、そして会員お一人おひとりの思いや、世界中を飛び回ってご活躍されている様子などを知り、大変感銘を受けました。

 測り知れない悲しみ、切なさ、やるせなさを乗り越えられて得た北鈴会の皆様のその明るさ、強さに触れるたび、私たち医療者も触発され、活力を頂いています。

 まだまだ、知識も技術も未熟な私は、日々患者さん、そして北鈴会の皆さんに助けて頂きながら、たくさんのことを学ばせて頂いています。これを生かし、今後も、より患者さんの心に寄り添えるような看護を目指し精進して参りたいと思います。

 最後になりましたが、北鈴会の仕様のご健康と更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。