北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

市立旭川看護33


北鈴会の皆様へ


市立旭川病院西6階病棟
看護師 栗柄 未央


 私は平成20年より耳鼻咽喉科の病棟に配属になり、8年目をむかえました。

 今までに喉頭摘出を受けた患者様、電気式発声器を使用したり、食道発声でコミュニケーションをとられる患者様と関わる機会がありました。

 喉頭摘出をされる患者様の多くは入院された時点で、すでに手術を受けられることを決意された方がほとんどですが、決意されるまでには多くの悩みや葛藤があったと思います。また、説明は受けていても術後の経過は人それぞれでもあり、状況がイメージしていたものと違っていたり、以前は当たり前に伝えられていた思いがうまく伝わらないことで抱える不安や孤独感とどのように向き合って過ごされているかと考えると胸がつまる思いです。

 入院期間中のわずかな時間の中で、どのような関わりが少しでも不安や孤独感の軽減につなげられることができるか、また今後の生活を。その方らしく”前向きに過ごしていただけるようになるかを考えていますが、年齢や状況もさまざまであり、それぞれの患者さまに対応するたびに新たな迷いや反省があります。

 しかし、定期受診や、再入院等で再びお会いした際に退院後にその方にあった方法を用いて、笑顔で会話されている姿や、生き生きと過ごされている姿を拝見して、自分のことのように嬉しく思うとともに、発声でのコミュニケーションの重要性も改めて感じ、患者さま自身の地道な努力と強い精神力、また同じ境遇で情報交換や指導を行っている「北鈴会」の皆様の存在やサポートが大きく関与していると実感しております。

 これからも、今までに関わった患者さまからの学びや感じたことを生かし、笑顔で再会した際の感動の気持ちを心の支えとしながら、患者さまに寄り添った看護を行えるよう学習を深めていきたいと思います。

 最後となりましたが、今後の北鈴会の発展と皆様のご健闘、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。