北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

道庁33


「北の鈴」の発刊によせて


            北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課
 課長 植村  豊


 北鈴会機関誌「北の鈴」第33号が刊行されますことを、心からお慶び申し上げます。

 また、会員の皆様におかれましては、本道における障がい者保健福祉施策の推進につきまして、日頃から格別のご理解、ご協力をいただいておりますことに、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

 貴会には、昭和39年の発足以来、道内の喉頭を摘出された方々に対する食道発声法、電気発声法などによる発声訓練の実施や、指導者の養成、発声法の普及啓発などにご尽力いただいており、昭和58年から道の委託事業として、発声訓練教室の開催や宿泊訓練、指導者の養成などについて、格別のご協力をいただき感謝申し上げます。

 こうした様々な活動は、道内における喉頭を摘出された方々の生活の質の向上や社会参加の推進はもとより、地域で一緒に生活する道民の皆様にも大きな勇気と思いやりの心を育むものであり、今後も貴会の活動がますます充実されますことを期待しております。

 さて、本年4月から、皆様ご承知のとおり、障害者差別解消法が施行されました。この法律では、国や地方公共団体はもとより民間事業者に対し、「不当な差別的取扱い」を禁止し、「合理的配慮の提供」が求められています。道といたしましても、障がいのある人もない人も共に暮らせる社会を目指し、障害者差別解消法の普及・啓発に努め、より一層の取組を進めて参りたいと考えております。

 そのためには、平成27年度からの3ヶ年計画である「第4期北海道障がい福祉計画」に基づき、「地域生活支援体制の充実」、「サービス提供基盤の整備」など、従来からの施策を充実することに加え、権利擁護の推進として、関係機関との情報交換や障がい者からの相談事例に関する協議の実施など、障がいを理由とする差別を解消するための取組や、市町村における相談体制等の整備を推進することとしております。

 これまでも、障がいのある方々の施設などからの地域への移行や就労支援の推進、社会参加の促進等を図るため、様々な取組を進めてまいりましたが、今後も皆様のご意見をお伺いしながら、「希望するすべての障がい者が安心して地域で暮らせる社会の実現」に向け努力してまいりたいと考えていますので、引き続きご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 最後になりますが、貴会のますますのご発展と会員の皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。