北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

旭川医大医師33


北鈴会の皆様へ


旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
医師 市川 晴之


 北鈴会の皆様、はじめまして。昨年4月に旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科に入局させていただいた市川晴之と申します。2年間の初期研修を終え、旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頚部外科での勤務も2年目となりました。

 北鈴会の存在は研修医2年目の時に初めて存在を知りましたが、その時にはまだ北鈴会の皆様の活動がどれほど喉頭摘出患者の心の支えになっているか知りませんでした。昨年喉頭摘出の患者様を担当する機会かおり、北鈴会の皆様に大変お世話になり、活動の素晴らしさを実感いたしました。

 近年、耳鼻咽喉科・頭頚部外科領域の癌に対し、腫放射線併用化学療法治療後の再発の場合、また合併症や既往歴によっては化学療法や放射線療法が行えないことがあります。その場合には現在でも喉頭摘出術は重要な治療法です。

 喉頭摘出術の前には声を失うことなど治療後の生活に対していろいろと不安に思われることが多々見受けられます。我々医療スタッフは手術についてまた、手術後についてもできるだけ丁寧に説明させていただいておりますが、手術の必要性を理解し、現状を受容するのに時間を要することも少なくおりません。その際、手術前に北鈴会の皆様に実際に手術後の状態、発声訓練などの北鈴会の活動などをお話しいただくことによって、手術への不安が軽減され、前向きに治療に取り組んでいただけるようになった患者様もおり、皆様の活躍に非常に助けられております。

 これからも北鈴会の方々には喉頭摘出術を受ける患者様のサポートをお願い申し上げますとともに、北鈴会のまずまずの発展と北鈴会の皆様の御健康と御健勝を心よりお祈り申し上げます。