北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

電制39


北鈴会の皆様へ



                     電制コムテック株式会社ブランド事業部

部長田 森 雄 介


  ユアトーンの沿革と最新機種のご紹介


北鈴会の皆様には、いつも大変お世話になっております。また、弊社製品の電気式人工喉頭「ユアトーン」シリーズを多くの方にご利用いただいており、誠にありがとうございます。私は、ユアトーンシリーズの販売を担当しております責任者の田森雄介と申します。
これまで専務取締役の須貝がご挨拶させていただいておりましたが、今回私からご挨拶させていただくことなりました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
まずは、ユアトーンの沿革についてご紹介いたします。今から20年前の1992年、北海道大学と北海道立総合研究機構工業試験場が進めていた電気式人工喉頭の研究に弊社が参画いたしました。製品化を見据えた開発が開始され、北鈴会の皆様の多大なる御協力をいただきながら、1998年に世界初となる音声抑揚付き電気式人工喉頭ユアトーンを発売することができました。その後も開発は継続し、2009年にユアトーンUゆらぎ、2013年にユアトーンUUBを発売いたしました。2015年には累計出荷台数一万台を達成し、2017年10月には、現行機種の「標準型S-1モデル」「高機能型G-1モデル」を、2020年12月から「装着型WS-1モデル」を発売しております。そして2022年5月、皆様に多くのご利用をいただき、お陰様でユアトーンシリーズの出荷台数が累計二万台を突破いたしました。 一万台を突破するまでには17年かかりましたが、二万台突破は、わずか七年という期間でした。今日に至るまで、北鈴会の皆様には製品に対する貴重なご意見を頂戴して参りました。本当にありがとうございます。
弊社では、今後も皆様にとって少しでも使いやすい電気式人工喉頭を提供するべく、頂戴したご意見を参考に、日々研究開発を進めております。その中で、手持ち型の「標準型S-1モデル」「高機能型G-1モデル」の後継にあたる、新機種の開発が進んでおりますので、簡単にご紹介させていただきます。
新機種は、これまでの機種の機能や性能を継承しつつ、より快適にご使用いただくために細かな改良をしております。 一点目は、発話スイッチ部分の改善です。
発売中の製品は、電源を入れたまま首からぶら下げておくと、体に本体がぶつかった時に音がなってしまうといった悩みを持たれているお客様がいらっしゃいました。今回、発話スイッチ周りの構造を見直し、不用意に音が鳴ることを低減いたします。二点目は電池カ
バーの見直しです。現在の電池カバーは複雑な構造をしており、電池を入れ替える際に少しコツが必要な場合もありました。これを単純な構造となるように見直し、より扱いやすく、電池の交換がしやすくなるように改良を行います。このように、細かい改良ではあり
ますが皆様により安心してお使いいただける製品を目指して開発を進めております。最新機種は今秋発売予定です。

弊社はこれからも、北鈴会の皆様をはじめとして、喉頭摘出者の皆様と関係を大切にし、国内の電気式人工喉頭メーカーとしてより良い製品を開発していく所存です。引き続きご指導の程、よろしくお願い申し上げます。
新型コロナウィルスの感染に予断を許さないため、なかなか訪問することが難しい状況ではありますが、情勢を見て訪問させて頂きたいと思っております。
最後になりますが、北鈴会の益々の発展と会員の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。