北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

道庁39


「北の鈴」の発刊によせて


            北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課
 課長 秋田裕幸


本年も北鈴会機関誌「北の鈴」が刊行されますことに、心からお喜び申し上げます。

また、会員の皆様におかれましては、日頃から、本道の障がい者福祉施策の推進に当たり、格別のご協力をいただいておりますことに、厚くお礼申し上げます。

貴会は、昭和39年の発足以来、長きにわたり道内の喉頭を摘出された方々に対し、「第2の声」の習得のため様々な発声訓練に努められるとともに、普及啓発にも取り組まれるなど、多方面で活動を積み重ねてこられ、昭和58年からは、道の委託事業である「音声機能障がい者発声訓練・指導者養成事業」により、発声教室や宿泊訓練、指導者養成研修会を開催し、多くの方々への支援を続けていただいております。

近年は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、研修の中止や変更を余儀なくされる期間が続きましたが、こうした様々な活動は、道内における喉頭を摘出された方々の生活の質の向上はもとより、障がいのある方々の自立と社会参加の推進に大きく貢献するものであり、今後も貴会の活動がますます充実されますことを期待しております。

さて、道では、昨年3月に策定した「第6期北海道障がい福祉計画」に基づき、希望する全ての障がい者が安心して地域で暮らせる社会づくりを目指して、切れ日のない支援体制づくりに取り組んでいるところです。

また、平成30年に施行した「北海道言語としての手話の認識の普及等に関する条例」と「北海道障がい者の意思疎通の相互的な支援に関する条例」により、誰もが円滑に意思疎通を行うための支援施策に取り組んで参りました。

こうした中、国においては、全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資するため、本年5月に「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が施行され、法的にも障がい者による情報の取得・利用、意思疎通に係る施策を総合的に推進することとされたところです。

道としましては、障がいの特性に応じた配慮や情報保障などが当たり前になる誰もが暮らしやすい共生社会の実現に向けて、今後も取組を進めて参りますので、皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びに、貴会のますますのご発展と会員の皆様のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げ、ご挨拶といたします。