北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

西澤39



「退職後のこと」


医療法人萌佑会 介護老人保健施設ゆあみーる

西澤典子


北鈴会のみなさま、お変わりなく、お元気でお過ごしでしょうか。
感染症は完全収束とは言えませんが、徐々に社会が活動を取り戻しているように思われます。会のウェブサイトを拝見しても、発声教室などが徐々に再開されているのはうれしい限りです。専門家ではないので、今後この疫病がどのように終わるのかについては、なにも予測ができないのですが、何とか日常がもどり、皆様方ともまた会合でお会いできる日が来ることを祈っています。
私は昨年3月をもって、北海道医療大学を退職し、現在は音声リハビリテーションには直接かかわらない立場になりました。それでも、ぜひ私の意見を聞きたいと言ってくださる患者さん、医師の方たちがおられますので、北大病院で2週間に1回だけ、専門外来をさせていただいております。ありがたいことです。
それでは、そのほかの時間を何に使っているかというと、主な職場として、介護老人保健施設の医師の立場をいただき、週に数日働いております。入所者の皆様は基本的に自宅復帰、社会復帰をめざしてリハビリに励んでおられる方たちなので、私のすることはそう多くありません。空白の時間帯には、学生時代に勉強したドイツ語の会話を復習したり、2年ほど前に始めた将棋の勉強をしたりしています。
また、長期のお休みを頂けるようになったので、実は6月末から10日間ほど、やっと現実化した海外旅行に早々と挑戦してまいりました。ドイツとイギリスに滞在しました。両国とも、日本からの入国に対しては、感染症の規制は全くありませんでした。また、マスク着用義務も廃止されていましたが、万が一の感染を避けるために、私は常にN95規格のマスクを着用して外出しました。そのように配慮している人たちは両国とも多かったです。空港や劇場など、人が多く集まるところでは、「マスクをしましょう!」とアナウンスが流れており、みなさんまだ緊張しながら生活しているように思われました。今回出かけた印象では、観光目的の海外旅行はまだ少し時期が早いかな、という感じでした。まず、海外の航空会社が減便を余儀なくされた間に常勤職員を大量にリストラしてしまったまま、今回増便を行ったために、あちこちで荷物の停滞がおこり、それに引きずられて発着が乱れに乱れております。6月末にニュースになったヒースロー空港の預け入れ荷物停滞のようなことは、今日常茶飯事でどこの空港でも起こっているようです。また、帰国前にPCR検査を受けて陰性証明を出さなければならず、これが結構面倒なことでした。
それでも無事に戻ってまいりまして、おつとめに復帰できております。
無喉頭音声とは関係のない話題を並べてしまいましたが、お許しください。今後また世の中が落ち着きましたら、声の祭典や教室などで、皆様にお会いできるのを楽しみにしております。それまで皆様 くれぐれもお元気でお過ごしください。