北海道喉頭摘出者福祉団体 北鈴会

北大30


北鈴会の皆様へのごあいさつ

北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頚部外科学分野
教授 福田  諭


 北鈴会の皆様方には、いつも大変お世話になっております。

 昨年「北の鈴」で、第114回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会についてご紹介させていただきましたが、先日無事終了致しましたので簡単にご報告をさせて頂きご挨拶と致します。
 本学会は、この領域では最大の学会で、耳から頭頸部まで耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域を幅広くカバーするもので、喉頭手術に特化したものではありませんが,もちろん北鈴会の皆様に関係のある喉頭の生理・機能や、喉頭癌の治療法,治療成績・リハビリテーションなどについても幅広く議論するものです。毎年5月に開催されており、ちょうど15年ぶりの札幌での開催でした。

 特別講演には2010年のノーベル化学賞受賞者であられる鈴木 章名誉教授にセレンディピティは努力する誰にでも平等にというタイトルでお話し頂きました。「セレンディピティ」ということばの意味は、「偶然に見つけられる価値のある発見をするクオリティ」です。セレンディピティは誰にでも平等に」というタイトルを予定しておりましたところ、”努力する”をつけるというご連絡を先生の秘書からご連絡を受けました。先生の心意気を示すものと感じ取っておりました。80歳を超えているにもかかわらず大変お元気で、講演では,ノーベル化学賞受賞にいたるまでの歩み・ノーベル賞記念式典・これからの科学者に対するメッセージを先生独特の語り口で淡々かつ情熱的にお話しされ、しかも先生の”鈴木カップリング”が種々の現場で大いに社会応用されている事実も、降圧剤・抗HIV薬・分子標的薬などを例にとり明快に提示され、満堂の聴衆を嘆ぜしめました。


 壇上に上がると他の方よりも強い一種のオーラのようなもの,自然と醸し出されるパッションを感じ取ることが出来、大変簡明を受けました。
 以上、学会報告を持ちまして、ご挨拶と致します。

 最後になりますが北鈴会、ならびに北鈴会1人1人の会員の皆様のますますのご健勝を祈念し致しております。